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別れの代償。

満月の夜に交わされ続けている密会。それを知る者は、たったの3人。 しかし、そのうちの一人は自分の抜けた後に交わされている言葉は知らない。 なぜなら、その話が始まる前に強制的に眠りにつかされるから。 だから、当事者であるはずの一人はこの言葉を知らない。 しかし、最近はこの密会が起きる周期が短くなっていて。 ほぼ、毎日のように繰り返される秘め事。 しかし、秘め事というには似つかわしくない。 ただの、大人のくだらない事情に過ぎなくて。 それに振り回されていることに、子供は気付かない。気付けない。 今日も、繰り返される密会は時が経つとともに激化していった。 それは、愛する者の為に。 ただ、その存在を自分以外に渡したくない。 誰にも触れさせたくない。 隠してしまいたい。 独占してしまいたい。 俺以外の何者にも、その全てを見せないで……。 『これ以上、俺のナルトに近づくな』 「は、何言ってんの?ナルトはアンタのものじゃないデショ?」 金色の幼子を間に挟んで、繰り広げられるのは、同じ言葉ばかり。 幼子の頭を膝に抱くのは、17、8才の金糸の青年。 逆に足を抱くのは、25、6才の銀糸の大人。 頭上を飛び交う言葉たちに、眉をひそめることもなく眠っている幼子。 普通なら目を覚ましても良いような状態なのだが、その子は目を覚ます様子もなく。 すやすや、規則正しい寝息を立てていた。 なおも続く、論争。 『だが、ナルトを占める割合は俺には遥か及ばない。ナルトに近づくな』 「何?自分が構ってもらえないもんだから、拗ねてるの?」 『巫山戯るな。お前ごときにこの子を、渡すのは癇に障る。それだけだ』 「何それ。それってアンタの勝手じゃない。体を共有してるのに、どうしてこうも違うのかね? アンタ本当に分身なの?」 『俺が分身だとしてもだ、中身は違うんだ。当たり前だろうが。そんな事も理解出来ないのか。 その頭は。一体何が詰まってるんだ?』 おが屑でも詰まってるんじゃないのか?この案山子。と、気配が言う。 その声が聞こえたのかどうかは定かではないが、カカシも間を置かずに言う。 「あんたに、言われたかないね。アンタこそ、そんなに長い年月生きてて。まだ、こんなこと してるんだもんね?俺と変わんないんじゃないの?」 時間の浪費って言葉知ってるの?この馬鹿狐。と、鼻で笑い視線を送る。 お互いの、堪忍袋の緒が完全に切れるのも近い。 何がどうして、こんなにも仲が悪いのだろう? と、渦中の子が起きていたのなら言ったに違いない。 もしくは、ケンカするほど仲がよいというのだから二人は、相当の仲良しさんなんだ。 と、どう考えても浮かばないような頓珍漢な考えを言うか。 どちらにしろ、渦中の子はその可愛らしい口からは寝息を立てるだけだった。 『お前と変わらないだと?笑わせるな。お前にナルトを幸せにしてやれるだけの力はない。 諦めて、その身を引け。今なら、まだ許してやっても良い。無論、今後一切ナルトの前に現れ たりするな。それが条件だ。』 「ホント。フザケないでよ?ナルトの前に現れるな?馬鹿も、休み休み言ってよね」 カカシは両肩を持ち上げて、ため息をつく。 その態度に、金糸の青年が哀れむような目で見る。 『巫山戯る?馬鹿な事?それはお前の発言だろうが……』 「何だって?もう一回言ったら、ナルトには悪いけど、アンタの事殺すからね?」 『は!たかが人間ごときが、俺を倒すだって?即行で返り討ちにしてやる』 膝に抱いていた、愛し子を優しくベッドに寝かせると、二人は立ち上がり、向かい合った。 『「勝負!!」』 しかし、未だにこの戦いには決着がついていなくて。 朝起きると部屋の中が崩壊寸前になって居て。 ナルトは目を覚ます度に隣で仲良く伸びている、変態と狐をどう料理してやろうか。 と考えるのだった。 まだ、日が完全に昇りきらない時分のこと。 夜な夜な交わされる、秘め事の勝者は居らず。 ただ、迷惑を多大に被ったナルトがその尻拭いをしているのだ。 何とも、情けない大人たちである。 未だにのび続けているバカ二人に、本物の殺気とともにクナイが放たれるまで後もう少し。 その時、そこには金色の阿修羅がいたらしい。


まさかの、ギャグ展開。 だって、こういうノリが好きなんだもの。 所詮、九尾様を出すための口実ですよ。 あははは;

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