[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
人の世に光と闇が存在するようにミラーワールドにも光と闇が存在する。 俺はアイツの闇だった。アイツが人の世界で楽しく過ごしているのを俺は鏡の中から見ていた。 明るいアイツ。 誰にも好かれるアイツ。 光の様にいつも輝いていたアイツ。 何ごとにも一生懸命でいくら否定されようとも自分の意志を曲げないで・・・・ 鏡の名から見ていて憎かった。俺にも体さえあればこの世界から出る事が出来たのに。 体のないこの肉体が憎い。体のあるアイツが憎い。いつか取って換わってやる。 俺が人の世に出てやりたい様にやる。今まで出来無かった分も全部。 ミラーワールドには俺以外、誰も居なかった。 居るのはモンスターぐらいか? 気を抜けば俺が食われる。ゆっくりなどした事はなかった。 笑う事も、泣く事も、叫ぶ事さえも・・・何一つ出来なかった。 それぐらい危険な世界だった。しかし、俺はここから出る事が出来ない。 実体がないのだから仕方ないことだ。だから、実態のあるアイツを憎むのはお門違いだ。 だが、それでも俺は許せなかった。何も気にすることなく生きているアイツが憎かった。 俺には出来ないたくさんの事を出来るアイツが羨ましかった。 神崎士郎 あいつがこの世界を作った。その所為で俺は出来た。この世界で生きることを定めれた。 しかしアイツもこの世界でしか生きられない人間だった。ミラーワールドから出ればこの体が壊れていく。 カードデッキを壊された者の様に。しかし、ずっと出ていなければこの体は人の世に出ても大丈夫だと言う事が最近分かった。 人の世に出てこの体で真司(アイツ)の仲間を殺せばアイツは自己嫌悪に陥って情緒不安定になる筈だ。 アイツはアイツが思っている以上に脆いからな。 いつやる?近いうちにしよう。何か異変が起こっているこの世界に・・・モンスター共が騒いでる。 もうじき世界が動く。 △月○×日 ついに神埼が動いた。 後三日・・・・ずいぶんと急ぐんだな。そんなに妹が可愛いか。ま、俺の知ったことじゃないが。 そろそろ記憶の扉でも開けるか。簡単だ。事実をそのままアイツに突きつけてやれば良い。 さあ、早く言え 神埼優衣お前の隠していた過去のとこを・・・・・・ そして俺はついにその時が訪れた事を知った。無論、鏡の中から。 「俺が約束を守らなかったから!優衣ちゃんがこんな事になったのも、ライダー同士の戦いも・・・・全部俺の所為だ!!」 「そうだ。お前の所為だ。俺と一つになって戦うんだ。さあ!!」 そして俺は念願の体を手に入れた。この世界に居ても消える心配なんてない。 俺は自由だ。もう何も恐れる事はない。俺は勝ったんだ。 こいつに!こいつに勝ったんだ!!お茶らけたこいつに。消え去るかも知れないと言う恐怖に。 何も恐れることはない俺は、誰にも負けない!! けれど、都合の良い事は長続きしなかった。 「俺と離れるのか!?戻れ、また一つになるんだ!!」 「もう騙されない!!俺はお前と戦う!!」 アイツとの融合は完璧じゃなかった。 アイツは俺と離れ俺の目の前に立ちはだかった。 俺はアイツと戦いそして・・・・・・・・ 倒されたのは俺だった。 何故?俺はアイツより強い。なのに何故負けた? あんなヤツに・・・あんなヤツに・・・ だが、何故だろう。心からアイツを憎むことが出来ない。 むしろ今は死に行くこの体が心地よいと思う。呪縛から解き放たれ、自由になる。 本当は・・・俺は別にアイツの体が欲しかったんじゃない。 自由が欲しかったんだ。誰にも縛られない。何も決められていない本当の自由が。 定めなんてものがない世界が。 俺は確実に死ぬ。けれど、心は穏やかですっきりとしている。 アイツの体に入ってアイツの心が流れ込んできて。暖かいものに包まれた気がした。 感じた事のない安らぎ。俺が乗っ取ってしまった体なのに・・・アイツは俺の知らないうちに俺の心に入り込んでいた。 アッタカイ・・・・・ そのとき思った。アレはアイツのものだ。 俺は死ぬ。けれど後悔はしていない。 今ははっきりと分かる。 俺がライダーになった理由・・・ それは、誰にも縛れらない自由・・・・・――――――――― (END)
最近、懐かしいものばかり掘り出しています。 龍騎ネタなんて通じる人いるのかしら? 少々不安です。そのうちなくなってたりしてね。このページ自体が、ゴミ箱みたいなものですし。 メインのほうが増えてきたらなくなってるかもしれませんねぇ。 ある種期間限定。
≪戻る。