03 諦める

必死になって、求める先には誰がいるの? そんなに頑張っても、そいつは振り向いちゃくれないよ。 それなら、いっそ、俺のとこに諦めて堕ちて来ちゃいなよ。 俺はあいつと違って、お前を置いていったりしない。 ずっと、傍に居てあげるから。 ねぇ、美味しいご飯だって。 あったかい、部屋だって。 お前が、ずっと欲しがっていた愛情だって。 いくらでも、食べさせてあげる。 いくらでも、用意してあげる。 いくらでも、注いであげる。 だから、俺の傍に居て? 隣で、そのまっすぐな瞳で俺を見て。 太陽のような笑顔で俺を暖めて。 お前のためなら何でも、叶えてあげるから。 ね、そんなに、大きな夢を見ないで。 そのまっすぐな瞳で、あいつを追いかけないで。 劣情に苛まれて、打ちのめされて。 それでも、諦めないお前の強さは確かに好ましい。 でも、それで、命を削っている姿を見せ付けないで。 あいつのために、その命を削っている姿なんて見たくない。 これが、俺の一方的な思いだと分かっている。 だから、この想いがお前にとって重いだけだと分かっている。 自来也様にお前を取られたときの俺の憤りを分かってる? お前の隣で笑っている、お前の同期を見て俺がどれだけ嫉妬してるか知ってる? 俺のためだけに微笑めばいいのにと思っている俺は、嫌な大人で。 子供よりも強い、その独占欲が仄暗い闇を作っている。 この、想いは、ドス黒くて。 お前には不釣合いな、感情。 ねぇ、この想いが爆発してしまう前に、アイツをサスケを諦めて。 このままじゃ、近い未来に、俺はあいつを殺してしまうよ。 だって、このを想いをどうしようもできない。 でも、お前は俺のとこに堕ちて来ちゃくれない。 そんなことは、百も承知している。 だって、お前のことは、お前が生まれたときから知ってるんだから。 あぁ、諦めるのは、むしろ俺のほうなのか。 お前が、俺のところに堕ちてくれるのを…―――


うちのカカシ君はこんなのかもね。 でも、現実だって見れる。 かも。

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