18 触れる

ボクはキミに触れないし。 キミはボクに触れない。 だけど。 ボクはキミに触れるし。 キミはボクに触れる。 同時に体を持つことはできない。 だから、ボクが表にいればキミにしかボクは見えない。 もう一人のボクが表にいるときは、ボクはキミにしか見えない。 その環境は、確かに歯がゆいけれど。 悪いことばかりではなくて、いいこともたくさんある。 例えば、みんなが知らない表情をボクらは、共有している。 いつもはきりっとした表情が、子供のようにはしゃぐ顔を。 たまに不機嫌そうに、すねた顔を。 初体験のことに、目を輝かせる顔を。 確かに城之内君たちのように外で一緒に遊ぶことはできない。 もう一人のボクが実体化して、ボクとキミが別になることはきっとないけど。 でも、それで十分なんだと思う。 それにさ。 ボクたちはいつだって、どこにだって一緒にいける。 キミは、僕から離れられない。 それは、強制かもしれないけど。 いつも一緒にいることはボクに安心を与える。 心の中にいれば、ずっと。 触れられるし。 話せるし。 デュエルだってできる。 半透明のキミじゃなくて。 触れられるキミに。 ねぇ、たくさんキミに触れてもいい? 嫌がったり、逃げたりしないで。 気持ちよさそうに、穏やかに目を細めて。 きっと、それだけで、ボクは世界の誰よりも幸せだから。 ボクにだけは、触れさせて? キミの過去も、現在も、未来も。 キミのすべてを。


久しぶりの闇表で、書き方が分からなくなりました。 相棒ってどんな風に話すんだっけ? だんだん、自分の妄想の世界に生きている相棒しか呼び出せない状態に。 きっと、原作の相棒は、こんなこと言わないし、思ったりもしないと思う;

≪戻る。