思い出すのは、鮮烈な蒼と金。 切り捨てたのは自分で。 傷つけたのも自分で。 あいつが俺を必死に追い掛けるようにするために。 酷く汚い言葉で傷つけた。 言葉の枷に繋がれて、俺だけを見ていればいい。 そう思っていたのに。 3年ぶりに再開したあいつ。 思い出よりも鮮烈な蒼と金。 それは、より鮮やかに輝いて。 背筋を駆け抜ける快感に、笑みが零れた。 待っていたのは、その、全てを平伏させる圧倒的な瞳。 絶対的な王者の孤独。 期待。 焦り。 歓喜。 恐怖。 様々な感情が入り交じった、傷だらけで、泥だらけの顔。 決して、綺麗とは言えない。 ただ、誰もを虜にする力を持っている。 俺だけのモノ。 チラリと脇を見れば、見慣れたピンク。 そして、見知らぬ黒いのが2匹。 銀色の元上司が見当たらなかったが、いない分には好都合だ。 その黒2匹が俺の代わりか? お前はそいつらで満足してないから、俺のことを追いかけてくんだろ? イライラする。 お前の隣に誰かがいることも。 お前が誰かを隣に置くことも。 お前は孤独の中で、俺だけを必死に見ていればいい。 俺だけを必死に追い掛けて、突け放され、蹴飛ばされ、絶望の淵に立つ姿が愛おしい。 見開かれた瞳。 渇いた声。 それは、次第に。 俺だけを真っすぐに射抜く瞳に。 俺に唯一届く声に。 久々の邂逅は、5分にも満たない時間で終わり。 あいつはきっと、大地に蹲って汚く泣くのだろう。 俺だけを思って、後悔と絶望に苛まれながら。 ただ、ひたすらに俺だけを思って。 思い出すのは、少しだけ低くなったボーイソプラノと射抜くような瞳。
歪んだ愛、万歳。 サスケはナル君が自分だけをずっと見てるって、勘違いしていればいい。 そんで、里に戻ったら自分の居場所がなくて、しょげるといい。 でも、やっぱり、ナル君がサスケを優しく抱きしめちゃうといい。 初めての人だもの。 それくらは、許してあげたい二人です。
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