24 出会う

理解できない未知の生物との遭遇だった。 「力…弱いな……君。それでもチンポ付いてんですか?」 なんて、初対面でかますやつは、多分、同じ生物なんかじゃない。 ましてや、同じ木ノ葉の忍だとは思いたくなかった。 サイと初めて会ったのがあれで。 あまりの最悪さにプチっと捻り潰したくなったが、チョウジが一緒ということで思い止まった。 とは言っても、思い止まるのを決意したのは違う理由からだが。 勢いに任せたまま切り裂こうとしたら、シカマルの影縫いで俺も一瞬地面に縫い付けられ。 睨み付けるように振り返ると苛立った顔が見えた。 (シカマルがキレてる) 貴重なものを見てしまった。 シカマルの勘忍袋の緒が切れたらどう責任をとってくれるんだ。 里の機能停止だけで済めばいいが。 とにかく、シカマルに喧嘩を売るならそれ以上も覚悟した上でないと酷い目にあう。 んで、次に会ったときもかましてくれた。 今度は俺にではなく、サクラちゃんに。 そんでもって、カカシじゃないやつが第7班の新しい担当上忍になった。 ヤマトとか言ってたけど。 なにあいつ。 カカシのこと『先輩』とか言ってマジないし。 そういうの要らないから。 どんな影響受けたのか知らないけど、あいつの何を見て言ってんの? イライラする。 腹立たしい気持ちのまま、幾晩か過ぎ。 そして、幸か不幸か里外任務に至る。 (ストレスでマジ死ぬ) 里にいたときには毎日こなしていた暗部の任務もない。 仮面を被ったまま、同じ空間に閉じ込められて、イライラが募る。 付き合いの長いサクラちゃんならまだしも、疑いの視線ばかり送る新参者は、我慢ならない。 ヤマトが俺の監視人だとして、サイは何なんだよ。  + + + + + 「やだなぁ、良い子は寝てる時間だよ」 あんまりにも暇だから、綱手姫にお願いをして、暗部のお手伝い。 返り血も死臭もなにもない。 確かにそこに死体は転がっている。 ナルトが幾つか印を結び、息を吐く。 死体は、青い焔に包まれたかと思うと蒼い蝶になって空に飛び立つ。 「これが、ホントの俺だよ」 闇夜に光る無数の蒼い蝶。 ひらひらとナルトの周りを飛び回る。 「木ノ葉の蒼い蝶」 「なにそれ、有名な通り名?」 「ナルト、君がこんな力をもっているとはね。カカシ先輩は知っているのかな?」 「さぁ。ま、新参者のアンタよりは知ってるんじゃない、俺のこと」 警戒する2対の瞳がナルトを注意深く観察する。 慣れ親しんだ視線。 化け物を見る目はどいつもこいつも一緒だ。 「じゃ、俺はもう寝るけど。今晩のことは他言無用でお願いするってばよ。 ヤマト隊長、それにそこに隠れてる、サイも」 化け物に喰い散らかされないように。 禁色の獣との出会いは劇的に、突然に。 (これで、暫くは大人しくしてくれよ)


スレナル、バレネタはやってもやっても楽しい。 どうやってばらそうかっていうね。

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