28 溶け合う

粘着質な音が静かな部屋に響く。 後は、シーツの擦れる音と荒い呼吸音。 灯りの消えた部屋には、柔らかな月明りが差し込む。 いつもの悪戯に輝く瞳には、仄暗い焔が揺らめく。 呼吸する間すらも、惜しいといわんばかりにキスを繰り返す。 呼吸が止まってしまってもいい。 交じり合う唾液が、どちらのか分からなくていい。 全部の境界線がなくなってしまえばいい。 誘うように動く腰も。 激しく突き上げる腰も。 弧を描く腰も。 胸に灯る焔を煽る風になる。 風に煽られて燃え上がる。 消えることのない焔になる。 「好きだ、愛してる」 「俺も」 「な、好きだって言えよ」 「好き、大好きだってば」 「俺だけが好きだよな?ほかは要らないよな?」 「うん、サスケだけでいい」 何もかもが溶け合えばいいのに。 それでも、人間の殻を脱ぎ捨てられない俺たちは、本当には溶け合えない。 だから、少しでも溶け合いたい。 思考すらもどろどろに溶けて、一緒になりたい。 死ぬときは一緒がいい。 生きている間は、一秒すらも離れたくない。 「もう、サスケ以外要らない。だから、もう、何処にも行くなってば」 「あぁ、もう、離れない」 水のように。 泡のように。 境界線もなく、交じり合えない。 溶け合えない。 だから、一つに繋がりたい。 (この、一生消えない不安に押し潰されないために)


エロいよ! でも、溶け合うってこういう感じしかなくて。 拍手だけどいいかなって。 直接的な表現ないし。 きっと大丈夫!

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