びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 びちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 ぐちゃ。 屍の上を歩く。 先ほどまで赤かったソレは、既に黒い。 乾いてしまった血液は。 黒く、汚いものへと変わっていた。 神聖な感じも。 触れてはいけないような感じも。 そこにはもう無い。 ただ、汚いだけだ。 ナルトはまだ使われていない自分のクナイを、ホルダーから抜き出した。 そして、躊躇いも無く左手を突き貫く。 根もともまで深くクナイを食い込ませる。 掌から、甲に向けて良く砥がれたクナイの先はさくりと肉を引き裂いた。 多少の痛みはあった。 痛みよりも先に、熱さを感じたけれど。 貫いたクナイを引き抜く。 鮮血が、傷口から流れ。 手の甲を流れ。 指に河を繋ぎ。 地面に真っ赤な華を咲かせた。 黒くなった世界に、鮮烈な赤を。 流れ続ける血をものともせずに。 気が済んだので、肉塊に変わった人間を。 灰も残さずに火葬する。 碧い炎。 青白く世界を照らし出す。 「ただいまってばよ――!!!!」 夜遅くに、大音量で帰宅?を宣言。 現在、多分、深夜3時。 スピーカーでも使ったのかのような声を声の良く通る廊下で発する。 多分、コレでみんな起きるはず。 「俺が任務やって帰ってきたのに、誰もお出迎えが無いなんて失礼だってばよ!!」 ぷんすか。と言った状態で言葉を発する。 今日の任務は誰が行っても良かったのだ。 だから、じゃんけんになって。 何故か、パーを出して一回で負けた。 この人数で、そろいも揃ってチョキを出すなんてお前らはエスパーか!? と叫んだのはナルトの記憶に新しい。 嵌められた!!陰謀だ!!ノストラダモスだ!! と散々わめいたのは大人気なかったが。 ざわざわと部屋から出てくるメンバー。 「ナルナルお帰・・・」 「ナルト・・・」 「ナルト・・・君・・・」 「・・・・」 ナルトの姿を見て言葉が止まった。 しかし、ナルトはソレに気付かずに言葉を続ける。 「散々だったってばよ!!!後から後から沸いて出てくるし。弱いし。詰まんないし。一晩で 300人とかギネスに載れるってばよ。爽快感ないし。疲れたってば!!って、何、ひとの顔見て 硬直してるんだってば?」 「ナルト、お前気持ち悪くないのか?」 「何が?」 「とにかく、お風呂沸かしてきます。」 「鬼鮫のおっちゃん?」 「ナルナル、どんな殺しかたしたの?」 「普通に?」 「ナルト君、髪触って御覧。」 「髪?」 ナルトが左手で髪を梳く。 傷の塞がりきっていなかった手から、黒く変色した血に赤が挿す。 「髪ばりばりだってばよ!!????なんでぇ!????えっ?えっ?」 「ついでにコートも、うん。」 「コート?・・・・・・洗濯したら落ちるかな?」 「何やってんだお前は。」 あきれた様にサソリが言う。 ツーマンセルで任務をやった時にはこんなことは一度も無かった。 ナルトは上手に返り血をよけていたし。 最初の頃は上手く避けれずにコートに血がついていた。 しかし、最近ではそんなことは無かったはずだ。 「俺が聞きたいってばよ。」 こんなに汚れているなんて知らなかった。 きっと、このコートは使い物にならなくなっているはずだ。 こんなに血の臭いがべったりでは任務には着ていけない。 「最悪だってばよぅ。イタ兄、このコートって新調できるってば?」 「さぁ?でも、できるんじゃないかな。」 「誰も、新調なんてしたこと無いけどな、うん。」 「マジ!?俺が一番乗りかってばよ。嬉しくねぇーってば。」 「ナルトさーん、お風呂、用意できましたよ!!」 「はぁーい!!」 「早く落としてこい。」 「ナルナル、石鹸で綺麗に洗って、それから消毒するぞ、うん。」 「何か、鬼鮫に夜食を用意させよう。」 「有難うってばよ。」 髪を流すと、赤い水が流れた。 石鹸で体を綺麗に洗う。 泡がなかなかたたないので、2、3度洗う。 そして、ぶくぶくと湯船に沈む。 任務のことを思い起こしてみるが、ぼんやりとしている。 「何なんだってばよ」 そして、風呂をあがる。 排水溝は黒に赤がかった・・・・。
喪中シリーズ第三夜です。 『黒に赤がかった』 最後のほうがなし崩しでごめんなさい。 上手くまとまらなくなって来て。 あぁ、もう自分文才ないんだから諦めろ見たいな感じで。 読みにくいこと必至ですよね。
≪戻る。