鈍痛を訴える腰を庇いながら、起きてシカマルと一緒に一階に降りると、既に シカマルの家族全員が揃っていて、シカマルとナルトの席だけが空いていた。 「おはよう。ナルト君」 「おはようございますってばよ」 どんなに腰が痛くとも、朝の挨拶はちゃんとします。 「ナルト君の服一緒に洗っちゃったから、悪いけど今日はシカマルの服借りて くれる?額あてとか任務に必要なものは昨日、取って来て貰ったから」 「わざわざ、ありがとうございますってばよ」 敢えて誰が取りに行ったとはヨシノは言わなかった。 しかし、シカマルは一日中ナルトに付きっ切りだったことを考えると、父のシカク が取りに行ったのはほぼ間違いない。 あの、天然サウナの中に。 とはいっても、植物達のために窓を開けておたので、ナルトが家に居た時より よっぽどましな状態だったと思う。 シカマルの家族はナルトのことを毛嫌いすることはない。 それはシカクの教育だったり、ヨシノの教育だったりと。 ナルトを毛嫌いするなんて単語はこの家には無く。 一家総出でナルトを構い倒していた。 「ナルト兄ちゃんおはよう!」 「おはよう!」 「俺の隣空いてるよ!シカ兄の隣じゃなくて、俺の隣!!」 「俺のとなりだよ!」 「オレの!!」 「…みんなおはよう。朝から元気だってばね」 朝一番でこのテンションに持っていくには流石のナルトも無理だった。 そのままにぎやかな食卓が始まる。 しっかり朝食を摂り、服を着替える。 そして、二人仲良く集合場所へと向かった。 ■□■□■□ 「おっはよー」 「ちぃーす」 元気はつらつ太陽の化身のような笑顔でナルトは朝のご挨拶。 その隣にはまだ寝たりなくて欠伸をしている闇の化身のようなシカマル。 珍しい組み合わせのような気がするのは何故だろう? 確かに、アカデミーに居た頃はキバとチョウジを混ぜて悪戯をしていたが、二人がこんなに仲が 良かったかどうかは怪しい。 それに、何故にペアルック!? って言うか、それはシカマルの服でしょう!? たくさんの疑問を抱えながらも朝の挨拶だけは返した。 『おはよう』 既に集合場所には上忍を抜かして全員が揃っていた。 サスケとサクラはいつもの集合場所で待っていると、いのとチョウジが来て、 『今日、合同任務って知らなかったの?』 といういのの一言で、延々とカカシを待つことなく集合場所に来れたのだ。 「サクラちゃんも、サスケもいのたちが通ってよかったってばね」 「ほんとよ」 「あぁ」 二人の顔からは助かったという、安堵の色をうかがうことが出来た。 そのまま、上忍三名が来るまで下忍九人だけで、待っていた。 七対の視線を一身に受けているナルトとシカマルはいつも通りに談笑していた。 ただ、ナルトは歩くときにどことなく腰を庇いながらで。 シカマルは、それを助けるようにして歩いていたけれど。 ナルトとシカマルの家は反対方向。 その二人が顔をそろえて歩いて来るとは… 「ナルト君…シカマル君の…家にでも泊まって…たのかな?」 「「「「「な!!」」」」」 「ありがちかもね。もぐもぐ。二人とも仲居いいし」 ヒナタの一言に加えチョウジの一言に驚きを隠せない面々。 サクラといのはこそこそと話し出し、偶に『萌ぇ』とかなんとか。 他の男子の面々は、チョウジを抜かして、各々白くなっていた。 いち早くその状態を脱したシノは、ナルトのほうへと歩いていく。 そして、目ざとくあるものを見つけてしまった。 いつものあのオレンジのパーカーならば見えなかったかもしれない。 しかし、今日のこの服はしっかりと見えていた。 「おはよう」 「おはようってば!シノ」 「時にナルト。その首の赤い痕はどうした?」 「え?蚊にでも刺されのかな?」 シノに首の部分を指差されそこに手をやる。 特に腫れている様子はないようだ。 シノは、そこでさらりと言った。 「まだ、刺されてから時間が経っていないようだ」 「ホントってば?」 「あぁ。今のうちに毒を吸い出しておこう」 言うが早いかシノは赤い痕に口を寄せ吸い付いた。 「っいた」 「これで大丈夫だ」 「ありがとうってば!」 「別にたいしたことじゃない」 一部始終を見ていたシカマルは一気に不機嫌になった。 みんなの手前ナルトの手を引くわけにもいかず。 それが昨日、自分が付けた痕などと言えるはずもない。 シカマルはシノを睨みつけた。 「おあいこだ」 「あぁ?」 「お前ばかり、おいしい思いはさせない」 「確信犯かよ」 「何?ナニ?」 状況を理解した上でおちょくって居るのか。 本当に分かって居ないのか。 ナルトは二人の間であたふたしていた。 そして、上忍のアスマ・紅が到着して。 更に2時間後にカカシが登場し。 「今日は、向かい側の鹿に刺されそうになってねぇ〜」 「「はい!ウソ!!」」 といつも通しにナルトとサクラに突っ込まれた。 しかし、その場の妙な空気に感付き、アスマに尋ねる。 そして、ナルトを見やる。 ナルトが奈良臭いのは何故? って言うか凄く仲良さげですね。 あぁもう、これ何? 暑い中、朝からいじめですか? ってことで、任務変更して奈良いじめしますか!! カカシはキレ。 アスマはそれにうまく便乗し。 他の面子も乗り気で。 ナルトだけが分からず首を傾げる。 犠牲になったのはシカマルかそれとも挑んだ面々か。 暗部の筆頭といえども齢十三歳のお子様。 皆様の恋心には疎い模様。 さり気なくシカマルを助ければ周りから非難され。 わけも分からずおろおろとする。 結局、演習が終わってみれば、無事立っていたのはナルトとシカマルのみ。 「ナルト帰るぞ」 「うん。それにしても、今日はみんな元気だったな」 「そうだな」 「なんでだろ?」 「さぁな」 今日も木の葉の里は平和です。 (終われ)
終わった!! 編集作業のときが一番、大変だった。 なんか、精神的に疲れた。 自作のエロなんてじっくり編集するモンじゃない。 多少誤字脱字があっても、ノリと勢いでどうにかしたほうがいいんだ。 暫く、シカナルで頑張ります。
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